この本に期待すること
- 良い組織とは何か
- ハイパフォーマンス組織では、従業員は日々の業務を楽しみ、仕事に誇りを持って います。そして、リーダーやマネージャーは、組織の目的のために従業員をサポートすることに専念します
- 採用基準は担当者ごとに統一すべきか
- ->回答得られず
- 各メンバーの負荷を分散するにはどうすれば良いか
- ->回答得られず
- メンバーの成長を測る方法はあるか
- ->回答得られず
- 急激に人を入れすぎることによるデメリットとハンドリングの仕方
- ->回答得られず
- 育成と採用のバランスはどれくらいか
- 「人材不足」という課題は、仕事をしながら学ぶための環境を作り、しなやかマインドセットを持つ人を採用することによって解決できます。
- 部署間のコミュニケーションで扱う情報は何か
- ->回答得られず
- ナレッジをどう溜めていくのか
- ->回答得られず
- メンバーのモチベーションをどう上げるか
- ->回答得られず
要約
11 章 イノベーション文化を育てる p.229 – p.256
組織文化を理解する方法と、文化を変えるためにできること
1 章では、ハイパフォーマンスな創発的文化の特徴を紹介しました
-> 後で読む
文化とは共有された”暗黙の仮定”のパターンである。暗黙の仮定とは、外部に適応 したり、内部を調整したりといった問題を解決する際に組織が学習した方法であ る。それらは組織によって承認され、新しいメンバーが組織に加わった際には、 問題に気づき、考え、感じるための正しい方法として彼らに伝えられる。 『企業文化』 – シャイン
真の文化とは、主として誰も言葉にできないもので構成されている。(中略)文 化とは、力のダイナミクス、暗黙の優先順位と信念、伝承、競合、社会規範の遂 行、内外集団の形成、社内の資産と管理の分布のことだ 『Your Startup Is Broken』 – シャンリィ・ケイン
組織文化サーベイの実施
文化には実体は無いが、計測することは可能 ・DLOQ () ・Gallup 社の Q12 サーベイ
- 正直な回答が手に入らなくなるので、身元が特定できる情報は不要
- 性別や役割などの情報を記録しておくと、そうした情報によって結果がどのように変わるかを分析できる (個人を特定できないように母集団が多い時のみ)
- 調査結果はすべての従業員に見せましょう
- 経営陣はサーベイからわかったことについて議論しましょう
- 時間的変化を把握するために、毎年あるいは半年ごとにサーベイを実施しましょう
組織文化を計測して課題を見える化する
↓ .
なぜ 文化がそうなっているのかを調べる
組織では、標榜されている価値観と観察される行動によく不整合が見られます。観察される行動は、本当の価値観を示すサインです
リーダーたちが Y 理論を前提にしている組織の場合、リーダーの仕事は「従業員 が企業の繁栄のために努力することによって各自の目標を『最高に』成し遂げられる ような条件をつくってやること」になる
文化を変える
文化を意図的に変えるのは難しいこと。「文化は非常に安定的で、変革が困難」であり、「成功に至るまでの考え方、感じ方、世の中に対する認識など、グループが学び、蓄積したものを象徴するものが文化」であるため
人々の行動パターンを変えるには、マイク・ローザーが『トヨタのカタ』で指摘しているように、「決定的なのは組織のかたちではなく、人がどう行動し、反応するか」である。人々の行動や反応は、 主にリーダーやマネジメントの行動によって決まる。
- 行動の自律性が与えられているか
- リスクをとることを許されているか
- 失敗すると罰せられるか。それとも調査や改善につながるか
- 職務機能を超えたコミュニケーションは推奨されているか
文化を変えるには、考え方を変えることから始めるのではなく、どのように振る舞えばいいのか、何をすればいいのかを変えることから始めます。何をしたいか、どのように行動したいのか、お互いに何をしてほしいのかを決め、そのためのトレーニングを行い、行動を補強する必要があります。その結果として、文化は変わるのです。『MIT Sloan Management Review』 – ジョン・シュック
変革の必要性を受け入れると、変革に必要な新しいスキルや行動をうまく学べない かもしれない、地位やアイデンティティを失うかもしれない、という不安に直面しま す。シャインは、こうした現象を学習することへの不安と呼んでいます。 変革を成功させるには、「生き残りの不安」を「学習することへの不安」よりも大 きくする必要がありますが、そのためには「生き残りの不安を増大させるよりはむし ろ、学習することへの不安を減らさなければならない†」と、シャインは主張してい ます
失敗を許容する
組織の変革の取り組みや意思決定の失敗に対する態度によって、順応性とレジリエ ンスを持つ組織を作れるかどうかが決まります。組織理論家のラッセル・L・アコフ 教授は「失敗を嫌い、安定を好む態度が、大きな変化を妨げている」と述べています。ハイパフォーマンス文化の組織では、事件や事故のあとにポストモーテムを実施しています。
ポストモーテムでは、ひとつの根本原因を特定しようとしてはいけません。失敗の 原因として単一の事象を特定できるという考え方は、複雑適応系の本質を誤解してい ます。
人手不足などない
1 章の NUMMI のケーススタディから学ぶべきことがひとつあるとすれば、それは組織の 文化とリーダーシップが個人レベルの差異を小さくしていたことです
人が組織を賢くすると思われていますが、実際はその逆です。(中略)私たちの 生活は、個人の才能によって豊かになっています。集団は偉大な小説を書きませ んし、委員会は相対性理論を思いつきませんでした。ですが、会社は別のルールで動いています。会社はただ作っているわけではありません。さまざまな人たち の取り組みを実行、競争、調整しているのです。そのことに成功している組織は、 システムが非常に優れています。
- マルコム・グラッドウェル
ドウェックの研究によれば、その人がやりがいのある課題に取り組んでいることに対して報酬を 与えると、しなやかマインドセットに移行します。これに対して、既存のスキルを活用する能力を褒め、それに対して報酬を与えると、硬直マインドセットが生まれてきます。
Google の上位の採用基準
- 学習能力:「その場で処理する」能力や「異なる情報の断片をまとめる」能力が含まれます。
- リーダーシップ: チームのメンバーとして課題に直面したときに、適切なタイミングで踏み込んで、チームをリードできるかどうか。また、チームのリード をやめて、他の人に任せることができるかどうか
- マインドセット: 失敗から学ぶ
Google で最も成功している人たちは、競争の激しい立場にいます。自分の意見を強く主張する人たち です。自分の意見を熱狂的に信じています。ところが「ここにこんな新しい事実があるよ」と言うと、「おっと、それなら事情が変わってくるね。君の言うことが正しいよ」と返すのです
「人材不足」という課題は、仕事をしながら学ぶための環境を作り、しなやかマインドセットを持つ人を採用することによって解決できます。
育てる
従業員のキャリア目標を理解し、シンプルな自己啓発計画を定期的に更新することが、従業員の能力開発の基本です
人事評価を報酬評価から分離する
人事評価の目的は、従業員が自己啓発の目標に対するフィードバックを得て、 目標を更新し、直属の上司と話し合う機会を持つこと
人事評価と報酬 評価を一緒にすること、特に従業員を「スタックランキング(ランク付け)」 する制度は、外発的動機付けという時代遅れの考えです。これは、従業員に 協力よりも競争することを促し、エンゲージメントを低下させます
定期的なフィードバックを促す
お互いが個人の目標に近づけるように、従業員は定期的に非公式のフィードバックを共有すべきです。優れたフィードバックとは、タイムリーで、受け 手の利益になり、許可を与えられているものです。公式のプロセス(人事評価、懲戒、退職者面接など)では、非公式のフィードバックで伝えていなかったことを伝えてはいけません。
暗黙的なバイアス
「丁寧に扱われない」
「自分より知識や経験の 乏しい同僚を、同じかそれ以上のレベルにされている」
「自分の成果を他の人に横取りされる」
「自分の職務レベル以下の任務を与えられる」
「チームから仲間外れにされている」
「ステレオタイプで見られる」
「Level Playing Field Institute 2001 – 2006 自主退職者のコメント」
- 公平な賃金を保証する
- 個人を正確に比較するのは不可能です。代わりに、役割による給料を検討しましょう
- 採用と昇進にターゲット状態を作る
- 積極的差別という批判を避けるために、座席数を確保 することはしませんでしたが、候補者リストの女性の割合にターゲット状態 を設定しました
- 在職期間・昇進速度・仕事満足度を調べる
- データを集めて、少数グループのものと比較しましょう。さまざまなグループの昇進速度を調べてみましょう。